SAMURAI RAVE

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ahamoから始まったオンライン専用プラン戦争

そもそも変な言い方になりますけど「あのドコモが」こんな格安プランを出したところに最初の衝撃がありました。

ドコモと言えば以前シェアパックという、ちゃんと分かって使わないと比較的高値になりやすいプランを最前面に押し出した事から「ドコモは高い」というイメージが定着しており、その後ギガホなどを出したもののイメージ払拭とまでは行かなかったように思います。
ここが難しいところなんですが、実はドコモはそれほど高くはない。どこを比較対照にするかにもよりますが、三大キャリアで比較するとドコモだけが高いという事にはならない。
ですがイメージは先行するもので、一般的にはそう思われていたのも事実です。

ましてSoftBankなどはMNPした時につく複雑な割引を諸々込みにして結果として安く見せる手法(ほとんどは期間限定割引なのでずっと安いわけではない)を採用し、最大手の顧客を擁するドコモからどんどんもぎ取っていった。
もちろんauも同様の手法を取った。

そんなわけでMNP市場ではひたすら負け通しだったのがドコモなわけです。

でも堅実で丁寧なショップの応対(必ずしも全てとは言いませんが)、いち早くスマホ教室などを取り入れたり、また「NTTグループだから」という謎の信頼感により一定の立ち位置はあったように思えます。

それが2020年、大きな変化が訪れました。
NTT完全子会社化というニュースは業界に激震が走ったように思えます。これにより実際関係各社より、電気通信市場の持続的発展に向けた公正な競争環境整備を求めるものとして意見申出書が総務省に提出されたりもしました。

そもそも一社だったNTTの通信事業を民営化の後に分社化し、元々国営だった強大な力を弱めて公正に市場で競争出来る環境になったのに、それが突如として再集結するというわけなのだから、それは周りの企業からすればたまったもんではありません。

しかし子会社化は実行され、そして登場するのが満を持して打ち出した新プラン「ahamo」です。

子会社化の話はそういった業界の方以外にはどこか「なんのこっちゃ?」という話だったかもしれません。
しかし「ahamo」は誰にも分かる衝撃として業界を貫きました。「あのドコモが」と誰もが思った事でしょう。これが先に述べた子会社化と関連があるかないか、と考えればタイミング的には当然あると思わざるを得ません。株価への影響を考慮して今までは動けなかったという部分もあるようです。

そして次に出てきたのは「ahamoはサブブランドではないのか?」という疑問です。
確かにプランの名前というよりブランド名のようなネーミング。発表時のスマートフォンのアンテナピクト(アンテナマークの横につくdocomoみたいなやつ)は「ahamo」となっており、わざわざプランにアンテナピクトまで用意するのか?など様々な憶測が飛びました。
ここでドコモは「そうです」とは決して言えない。何故ならその少し前に総務省大臣が「サブブランドで安くしても実感ない」的な発言をしているからです。なので本当はサブブランドだったとしても「サブブランドです」とは出せない事情がありました。

しかしここからは多分ドコモの頑張りだと思いますが、提供開始当初はドコモからでもMNP手続きが必要としていたところを後々、単なるプラン変更でahamoへの移行を可能にしたからです。
これでahamoが新プランである看板は立ちました。

後にauSoftBankも同等のプランを打ち出しました。povoとLINEMOです。
しかしこれらはahamoの模倣に過ぎず、また後だしじゃんけんよろしく、povoはahamoより500円安くしてきました。それに合わせる形でLINEMOも同じスペックへ引き下げを行いました。どちらも安くと書きましたがahamoではバンドル化している「5分通話定額」を抜いただけです。これを足したら結局ahamoと同じです。
ここまでahamoは大きなスペック変更を行いませんでした。ただ家族割についての細かな仕様変更などを発表しただけです。

しかし3月。いよいよ今月から各社格安プランが動き出すといったこの月の始め、遂にahamoが動きます。
まずスペックそのままで200円の値引き。2980円が2700円になりました。これで税込にしても3000円以下になります。そして個人的にここは大きいと思ったのは「5分通話定額」は据え置きとしたところです。povoやLINEMOとは違い、あえてそのままのバンドルというスペックを変えませんでした。どうしてかというと、それこそ今電話を使う人は少ない。友達や家族とならLINE通話で事が済む。しかし、店舗の予約など一部どうしても「電話」でなければいけない時が実は細かく存在していて、それを賄う為の「5分通話定額」です。
また同時に対応端末、ドコモから引き継げないプランなどなど詳細が提示されました。またドコモお得意のクレジットカード「dカード」の特典も提示されました。

ここ数年、携帯業界は大きな変動続きです。
最大手ドコモのNTT完全子会社化。(SoftBankauでも会社的な動きはありました)
今回取り上げたahamoを始めとするオンライン専用プランの立ち上げ。
また既存プランにも値引きを入れました。
少し前から法律的にも大きく変わっている。そう、キャッシュバック戦争の終結などは記憶に新しいですね。細かく言えばキリがないほど変わりました。

それは携帯電話という「モノ」が最早生活に不可欠な「モノ」として社会が認め、そして国が法整備を進めたからだと思います。
またそれに伴い業界各社も生き残りの為に必死だったでしょう。「後だしじゃんけん」と「結果大手は全て横並び」を繰り返し、遂にここまで来たという印象です。
これは仕方ないと思うんです。大手のどこかが画期的な事をした時に何もしないわけにいかない、後から出すならより良いものにしなければならない、だがそれをやり過ぎるのは収拾がつかなくなる。結果、どこかで落ち着かざるを得ない。
結局今回のオンライン専用プランでも同様の事が起きている。


ところでahamo、povo、LINEMOの全てに言える事ですが話題になっていて料金が安くて容量も多いからと言って決して安易に変えてはいけません。
各社何度も言っているし、書いてもある。CMでも大々的に言っている。オンライン専用プランなんです。つまり変えたら全て誰にも聞けずにオンラインでやらなければならない。故障も、故障じゃないトラブルも、手続きもです。
特に故障。故障したのにネットで手続きしろってどうしろっての?と思われる方もいるでしょう。そういう方には向きません。

何より一番大切なのは、「ねぇ、私、ahamo(もしくは他の格安プラン)にしたほうがいいかな?」と質問してる時点で向いてません。
友達や、店頭の人にそういう類いの質問をした方は大人しく店頭でサポートを受けられるプランにしましょう。

携帯料金にひとり10000円払っていた時代もありました。それに比べたら一般のプランも安くなったし、今回紹介したオンライン専用プランも素晴らしいコスパです。
ただプランというものは、利用者の使い方によって何を選ぶかが変わるもの。でなければプランなんていらない。「この料金かかります」で終わりでいい。
なのに「私は安くならないなんておかしい!」と騒ぎ立てる人もいるわけで。違うに決まってるんです。こういうプランを使う方は仕様をしっかり理解し、自分で責任を持つ代わりに安くなってるんです。スマホに起きた「何か」を「誰か」のせいにしたい方にはそれ相応の料金を払う必要があるんです。質問されたり文句言われたりしている店頭のスタッフは無料じゃない。


遂に始まったオンライン専用プランも、スタートと同時に各社トラブルが多発している模様です。
それらは主に混雑によるものだそう。中には申し込みフォーマットの流れに不備のようなものがあったところもあるようですが。

さて、どんなプランが自分に似合うんでしょうね。