SAMURAI RAVE

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テーブルトークRPGを知っているか

※超長文になってしまいました。閲覧注意です。

水城がテーブルトークRPG(以下TRPG)を知ったのは中学生の時。存在は知らなかったが、仲の良い友達とボードゲームで遊んでいた時に、それっぽく役割を演じたりして遊んでました。すると、そういうゲームがそもそもあるぞ、という事で調べて(当時はインターネットなんてなかったので大変でしたが)みるとあがってきたのがTRPGでした。

ちなみに日本ではテーブルトークRPGという言い方をしますが、海外ではそもそもRPGはこちらを指します。

そもそものやり方というか、基本のやり方は(あえて基本のやり方と書きます。今はオンラインもありますので)、まずテーブルで行うゲームです。
そして主にプレイヤーひとりにつき1キャラクターを用意して、プレイヤーは自身が持っているキャラクターを演じる(ロールプレイ)するゲームです。
そう、つまり「ごっこ遊び」をルール化したものと言えるかもしれません。

ではプレイヤーがキャラクターを演じる、それは分かりました。ではそのキャラクターの状況やどこにいるのかなど、舞台などは誰が準備するのか。
それがGM(ゲームマスター)、もしくはキーパーなどという役割の人です。ここでは便宜上GMで統一します。

GMがやらなければいけない事は多く、正直大変です。まず今回どういう話を遊ぶのか、つまりはシナリオを考えます。もしくは既存のシナリオをやるなら、その内容を読み込む必要があります。
また後述しますが、キャラクター達はコンピュータゲームと違って「選択肢」から行動を選ぶわけではなく、彼らがもしその状況ならやれそうな事を想像力の範囲で何でもやれてしまいます。それらを実行した時にどうなるか、GMは公平に見て判断し、それらをキャラクターを演じるプレイヤーに伝えなければなりません。
またシナリオにはたくさんの登場人物、つまりはNPCが登場します。GMはそれら全てを演じます。


つまりTRPGとは、GMが描くシナリオ、世界の中でキャラクター達を演じるプレイヤーは、あたかもその世界にいるつもりで冒険などを楽しむ、想像力のゲームです。

では、例えばキャラクターが「攻撃する」と言ったら必ず当たるものでしょうか?
我々人間も、やろうとした事が必ず成功するとは言えません。それに対する能力によって成功も失敗もあります。また、どんなに高い能力を持ってしても失敗する事もあります。
それを判断するのに使うのが、主にダイス…つまりはサイコロです。ゲームによってはトランプなどで代用する場合もあります。ここではダイスを利用している体で話を進めていきます。

ダイスを振って○○以上なら成功する、などといった具合です。
例えば先程の「攻撃する」という行為を判定する際、ただ単にサイコロを振って決めるのは能力を考慮していない事になります。
そこでキャラクターには攻撃を当てる為の能力値があるわけです。例えばそれが「命中率」という能力なら、ダイスの出目+命中率の数値が○○以上なら命中する、などです。

TRPGにおける「行為の成否」については基本こういった判定によって行われます。例では攻撃としましたが、例えば盗人のキャラクターなら「スリを成功させるための判定」などです。

先程書いたように、つまりはキャラクターには個々の能力が存在する場合がほとんどです。
それを記したものが「キャラクターシート」と呼ばれます。この「キャラクターシート」に各能力を記しておいて、都度見ながら判定をしていくような流れです。


さて、ここまで書いて、イメージ沸いたでしょうか?難しいですよね。

まず自分はキャラクターを演じるプレイヤーなのか、シナリオを統括し進行するGMなのか。
話はGMが考える。プレイヤーは「キャラクターシート」を準備する。
話が始まれば、プレイヤーは想像力を最大限発揮して冒険を楽しむ。GMはそれらをまとめつつ、話を進めていく。
何かあればGMの判断によってダイスと「キャラクターシート」で判定していく。
そうやって話のエンディングまで進めていく。

まとめるとこんな感じです。

ところでコンピュータRPGにもゲームには種類があります。それはTRPGにおいても同じです。
TRPGにはゲームの種類があります。
有名なところだと「クトゥルフ神話TRPG」や「ソードワールドRPG」など。他にも「ダブルクロス」「GURPS」「ロードス島戦記TRPG」などなど。
このゲームによって舞台となる世界観や判定の仕方、キャラクターの作り方などなど違います。
コンピュータならゲームソフトですが、TRPGは「ルール」と言います。

例えばTRPGを知らない人さえ聞いた事ありそうな「クトゥルフ神話TRPG」などは主に現代を舞台としており、キャラクターは特殊な能力を持たない一般人です。特徴的なのは、このゲームはホラーなんですが、その雰囲気を表すための能力値として「正気度」があります。そう、SAN値です。キャラクター達は怪異に出会うとこの「正気度チェック」を行い、失敗すると「正気度」を失い、場合によっては発狂します。ノリの良い方はこの発狂のロールプレイが楽しいようです。

他にも「ソードワールド」なんかは王道ファンタジーで剣と魔法の世界です。「ダブルクロス」は現代ながら異能力を持つキャラクターによるスーパーヒーロー的なものです。
GURPS」だけは特殊で、今もあるのか分かりませんが、汎用RPGという名前となっており、様々な世界観に対応する為の膨大なルールが存在します。私は以前このシステムを使った「GURPS妖魔夜行」という、実はキャラクター達は妖怪という世界観のルールで遊んでいたりしてました。



とてつもなく長いですね。
でも簡易的な説明ですらこれくらいになります。もっとちゃんと解説してるところは、かなり長いかと思います。
だからこそハードルが高いと思われがちです。

しかしTRPGを今も愛している人は多くて。
何故なのか?という事になりますが、やはり「想像力の限り遊べる」という部分に集約されるのではないでしょうか。

例えばコンピュータゲームなら、どんなに進化しても基本的に「決められた選択肢から選ぶ」という方法にならざるを得ません。将来的に超進化したAIとかがGMをする、なんて事にもなるかもしれませんが、今のところ目処はないでしょう。
なのでやはり基本的に「決められた選択肢」からの選択になります。
対してTRPGは「余程おかしな行為、不可能な行為」でなければGMさえ承認すれば可能です。(成功するかどうかはもちろん別ですが)

またロールプレイは「恥ずかしい」という意見もありますが、反面「思いきったロールプレイこそ面白い」という意見もあります。この辺りは人によりけりです。

個人的には、オリジナルシナリオをGMが展開した場合、自分が作ったキャラクターに合わせた話を作ってくれたり、以前自分が作ったキャラクターがNPCとして出てきたりという事があります。
コンピュータゲームでもありがちですが、これの何がいいかというと、TRPGのキャラクターを作る際って思わず大体の人が「そのキャラクターの背景や過去設定」などを妄想します。
それらを反映したシナリオが作られたら…面白いと思いませんか?他のキャラクターとも実はこういう絡みがあって、とか。GMと妄想による打ち合わせをして、それを元にしたシナリオを作ってもらってプレイしたりするのが本当に楽しい。そして何よりキャラクターに対する愛着もかなり深まります。

自分のキャラクターは実は生き別れた家族がいて、それを探す為に旅をしている。これ、GMがその話を汲み取って、全く関係無いシナリオの途中にその家族のヒントが出てきたり。
関係無いNPCだと思ったら、よくよく聞いたらその家族の事を知っていたり。
もしくは重要NPCが、前に作った誰かのキャラクターだったり。

こういうのが面白い。
まぁ、こういうのは一回のシナリオでなんともならなくて、連続ドラマみたいにいくつかのシナリオをまとめた「キャンペーン」といわれる大きなシナリオで使われたりします。



最後に「今のTRPG」について。
最初に書きましたが「オンライン」という時代です。つまりテーブルを囲わなくてもTRPGが遊べる時代になりました。
これによって下火になっていたTRPGも、今やプレイしている人がまた増えているように思えます。
これを主に「オンラインセッション」と呼ばれます。通称「オンセ」です。
オンラインセッション用のツールもネットにはたくさんあって、それらとVCツールなどを併用する事によりオンラインでTRPGが可能になります。つまりは元々リアルに集まって宅を囲んで遊ぶゲームだったTRPGが、集まらなくてもゲーム出来るようになる。社会人プレイヤーには大きなメリットです。
ただ、オンラインセッションには欠点もあります。それは「時間がかかる」というものです。
私もオンラインセッションやった事あります。通常の集まってやるTRPGも、そこそこ時間がかかるんですが、約2時間前後くらいでしょうか。もちろんシナリオによって変わります。
オンラインセッションはその数倍、時間がかかります。なので1つのシナリオを何回かに分けて遊ぶ必要があります。オンラインの方が準備すべき事や進行そのものも伝わりにくい部分は絶対にあるので、その結果です。

ちなみにオンオフ問わず、プレイしたシナリオをまとめたものを「リプレイ」と言います。前だと文章で、小説と演劇の台本の中間のような本がありましたが、今はリプレイ動画などもあります。
ニコニコ動画でゆっくりを使った「クトゥルフ神話TRPGリプレイ動画」が爆発的に流行ったのも、クトゥルフ神話TRPG知名度を上げた大きな要因となっています。
また前述した「ロードス島戦記TRPG」は、初めて登場したリプレイが小説になり、アニメにもなりました。
逆に流行っているゲームやアニメなどをTRPG化したもの、例えば「この素晴らしい世界に祝福をTRPG」などもあります。




なんだかとてつもなく長くなってしまいました。
ここまで見てくださった方、ありがとうございます。そしてまとめるのが下手でごめんなさい。
とにかく、TRPGは時間と手間がかかりますが、他では味わえない遊びを提供してくれる、古くから愛され続けているゲームです。
機会があれば、ぜひ遊んでみてください。