SAMURAI RAVE

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テーブルトークRPGを知らない貴方へ

※長文注意


テーブルトークRPGという「遊び」をご存知だろうか。
今あるコンピュータRPGの起源とも言われるこの遊びは、本来はひとつのテーブルを複数人で囲ってトークで進めていくゲームです。名前そのままですね。

ところでRPGというゲームジャンルは今では当たり前ではありますが、その言葉の意味をご存知でしょうか?
ロールプレイングゲーム。ロールプレイとはつまり「役割を演じる事」です。つまりは「役割を演じて遊ぶゲーム」がロールプレイングゲームというわけです。

テーブルトークRPG(以下TRPG)をやるにはひとりでは基本的に出来ません。大体の場合は5~6人くらいが適切かと思います。それ以下の人数だと色々と修正が必要になる場合が多いし、多いと収集が付かない場合があります。

このように人を集めたら次は使用するシステムについてです。
システムとはコンピュータゲームにおける「ソフト」のようなものです。そのシステムによって基本的な世界観やどういったキャラクターが登場するのか、そしてプレイヤー達が演じるキャラクターの作成方法が違います。
システムには様々あって、王道の剣と魔法のファンタジーや現代物、ホラー、サイバーパンク、歴史物や原作物もあります。

例として、剣と魔法のファンタジーなら有名な「ソードワールドRPG」や「ロードス島戦記」など。
ホラーだと超有名な「クトゥルフ神話TRPG」というものがあります。
他にも水城が最後にハマった現代異能力物の「ダブルクロス」なんかだと、日頃は普通の人間として暮らしながら実は特殊な力があって…みたいな、いわゆる中二病満載のシステムもあります。

さてシステムと人が決まったなら、GMとプレイヤーによってやる事が違います。まずはGMから説明してみましょう。


GMの準備】

集めた5~6人くらいの中のひとりがGMという役割を担います。他のみんなはプレイヤーです。
GMとは「ゲームマスター」の略で、この役割は重要かつ多忙です。
何せコンピュータRPGでいうとこの「コンピュータ」の部分を担うのですから。
つまりは、シナリオと呼ばれるストーリー、そこに登場するNPC達の管理とロールプレイ。更には予想外の行動に出たプレイヤーを制御する役割もあります。

TRPGをプレイする事をセッションと呼びますが、そのセッションまでにGMは様々な用意が必要です。
まずはシナリオの準備。今ならネットで探せばシナリオも出てきますが、オリジナルでやる方も多いと思います。オリジナルの場合は様々な事を決めなければなりません。

舞台はどこ?いつ?プレイヤー達は最初から知り合い同士?そうでないならプレイヤー達はどうやって出会う?一緒に行動する納得のいく根拠は?今回の目的は?その目的を目指すにあたり何故プレイヤー達はそれを目指すのか?それを目指すプレイヤー達のメリットは?

こういった部分を、プレイヤー達の行動を予想しながら組み立ててひとつの話に仕上げて完全したものがシナリオです。

次に用意するのはプレイヤー達以外に登場する存在の準備です。それは途中で出会う人だったり、世界観がファンタジーならモンスターだったりです。モンスターならもし戦闘になった場合のデータが必要です。人ならデータと共に性格や行動なども考える必要があります。

こういった準備を経てGMはセッションを迎えるわけです。


【プレイヤーの準備】

プレイヤーはGMに比べたら「やらなければならない事」は少ないです。ただし、人によっては「やらなくても出来るけど、やりたくて準備しちゃう」という場合も多いです。

何の事かというと、プレイヤーの準備は自分が演じるキャラクターを作成する事です。これが唯一「やらなくてはならない事」です。
キャラクターの作成は、決められたシステムとGMから言われる(場合もある)条件に合わせて作成します。
剣と魔法のファンタジーなら「駆け出しの冒険者」であったり、現代物だったら「高校生」であったり。そういった条件に合わせ、あとはシステムに則ってキャラクターを作ります。
ここまでが「やらなくてはならない事」です。

では前述した「やらなくても出来るけど、やりたくて準備しちゃう」というのは何か。
それは自分が作ったキャラクターの「設定」です。
TRPGというのは想像力をふんだんに使うゲームであり、また羞恥心は出来るだけ省いてやった方が遥かに楽しいゲームです。
なので自分が作ったキャラクターに愛着を持たせたり、深みを持たせられます。
このキャラクターは好きなものはこう、嫌いなものはこう、性格はこう、家族はこう、これまであった事件はこうなどなど。
この設定というのを考える行為は、始めてしまうととめどなくやりたくなります。ただ、GMにその設定を共有しておけば、その設定を踏まえたシナリオを考えてくれたりもあります。


【セッション】

それぞれの準備が整ったらいよいよセッションです。ちなみに昨今インターネットの普及により、オンラインセッションというのも一般的になりました。
そもそもTRPGは直接会ってやっても1回数時間掛かる遊びです。この時間って学生さんでも中々取れません。また場所も確保しにくいなどもあります。
それに対してオンラインセッションであれば場所は気にしなくていいし、比較的時間も取りやすい…というかセッションを分割する場合が多いです。というのもオンラインセッションは通常のセッションより数倍時間が掛かります。なので必然的に途中でブレイクして、後日続きからとなる場合が多いです。

何にしてもオンラインセッションが登場した事により遠くの仲間とTRPGをプレイする事が可能になったし、最近ではVCも当たり前になりつつあるので、そういったところも後押ししてます。
またオンラインセッション用のツールなども多くなってきました。

ここからはようやくセッションをスタートさせます。

GMからプレイヤーに対して、シナリオの導入が告げられます。
システムによっても違いますが、基本的な場合は、キャラクター達が今どこにいてそれぞれ何をしているところ、という説明から入ると思います。

例として、王道ファンタジーものの導入によくありがちなシーンです。


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GM「○○は駆け出しの冒険者として田舎から都市へとやってきたばかりだ。まだどこに何があるのか、どこに行けば冒険が出来るのかもあまり分かっていない。○○は街の入り口にたった今到着したところだ。さて、どうしようか?」

○○「えーと、周りに人はいるのかな?いるなら声を掛けてみよう。冒険者になるために田舎から出てきたんだけど、どこに行けばいいですか?」

GM「なら通りすがりの街の人がちょっと驚いたように『ああ、冒険者になりたいのか?うーん、なら酒場に行けば何か冒険者向けの依頼とかもあるかもしれないよ』と教えてくれるよ」

○○「よし、ならその酒場の場所を聞いて、そこに向かうか!」

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こんな感じです。分かりますか?
この後は例えば、既にいた他のプレイヤーのキャラクター達と合流するながれとかをやる感じになるでしょうか。

このように、プレイヤーは想像力の限りを尽くしてGMの説明から想像します。そして「もしこのキャラクターだったらその時どうするだろう」という想像の元、ロールプレイをします。

こんな感じで会話で話を進めていきます。
やっていくと、それぞれの想像力の違いがどんどん浮き彫りになって「そんな発想もあるのか?」と驚いたりしながら、自分のキャラクターならどうするかを考えて進めていきます。

ところでコンピュータRPGの場合、例えば戦闘で攻撃が当たったかどうか、そういう部分はコンピュータが決めてくれます。攻撃の命中に関わるパラメータを元にして乱数で当たる当たらないを判断しているはずです。

TRPGにおいてその役割は、ほとんどの場合ダイスによって決められます。
ダイスというのは6面体だけではありません。4、6、8、10、12、20、100など様々あります。まぁ、100面体はかなりレアですが。
これらを使って、行動の成否を決めます。
例えば…

こちらの命中は5で敵の回避は10。
2つの6面体ダイスを振って出目の合計+命中が、敵の回避を超えたら命中となる。

こんな感じです。
他にも…

命中率が80%で、そこから敵の回避率15%を引いた65%が攻撃命中率。
10面体ダイスを2つ用意して、1つを10の位、1つを1の位としてダイスを振って攻撃命中率以下の出目が出たら命中。

などです。

こういった行動判定を繰り返し、GMが提供する物語の中で自分のキャラクターが何をし、何を考え、どう行動するかを会話で表現しながら話のエンディングを目指すゲーム。
これがTRPGです。



最後に、もしここまで読んで下さった方がいるなら、ぶっちゃけた話を。

TRPGはかなり面倒な準備をして行う遊びです。
なので準備の段階でかなり高いハードルになります。
また実際のセッションにおいてはロールプレイを基本的にはしていくので、恥ずかしいと感じたらしんどいです。演じるという事をどう捉えるかです。
更には出来れば気の合う仲間と、出来るだけ同じ目線でそのセッションのエンディングを目指せると良いと思います。

なので全体的にかなりハードルの高い遊びだと思います。

それでも歴史は古く、また今なおたくさんのシステムが遊ばれていて、最近だと動画などもたくさんあります。

それは何故か。これだけ面倒臭い遊びなのに。
それはその面倒臭さを超える面白さと無限の可能性があるからに他ならないです。

水城は中学生の時にTRPGと出会い、高校生で本格的にTRPGのサークルなどを作って遊び、かなりの時を経て社会人になってからも何度か遊び、更にはオンラインセッションも何度かやりました。

もう数十年の付き合いになる遊びです。
いつかまた、気の合う仲間と共にオンラインで構わないのでセッションが出来るといいなと思いつつ、長文の筆を置く事にしたいと思います。